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「好きでいてくれるのはわかるし、
愛してくれてるのもひしひし伝わるけど、
あたしには・・・」
「もうわかった」
それ以上は聞きたくなかった。
あの時、
あいつからの一言で、
もう、ヒトを好きになることなんてないと思っていた。
出会うまでは・・・。
あたしの大切な人。
スゴクキレイな顔をしているけど、
いつも寂しそうな目の色をしている。
あたしに、あなたの心に入る隙間はないですか??
そして、今でもあなたの心に存在する大切なヒトは誰ですか?
恋するきっかけ
いつもと変わらないはずの朝。
今までと少し違うのは、目の前にいる存在の所為。
ただでさえ、小さくて細い身体を丸めて寝息を立てている。
肩で波打ってる髪と
こんなことをして、簡単に目を覚ますとは思わない。
「美弥・・・」
耳元で静かに呼んでみても、
「待って・・・お母さん、あと5分」
俺は、母親じゃねぇ。
暫くして。
「んっっ・・・」
一回軽く寝返りを打って
「あふっ」
小さくあくびする。
玩具みたいな動作で美弥の意識は少しずつ現実に近づいてくる。
見てて飽きない。
そう思える存在は今はこいつだけかもしれない。
「藤田さん、おはよ」
少し、まだ眠たそうな瞼をこすりながら、
俺に笑いかけるその顔が
何度
俺を救ってくれただろう。
そして、何度
君に恋をさせただろう。
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