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「昔、今迄で一番惚れたヤツがいて、


                今迄で一番傷つけたヤツがいる。










・・・俺は今でも、そいつへの想いが断ち切れないでいるのかもしれない」


















それは長い告白だった。




















  二人のはじまり 。。。8。。。    I wish...
























藤田さんの今までの恋愛は、


正直、キレイと言えるものじゃなかった。














今回みたいに、さして感情のないまま女のヒトと何度も寝たこともあるし、



厭きたら捨てるみたいにしか扱えなかった。



基本的に恋愛感情を持つことができなかった。














だからこそ、












3年前に目の前に現われたヒトに対して抱いた感情に素直になれなかった。













簡単にその人の気持ちが手に入らなくって、その人には想っているヒトがいて、







その人の中に想っているヒトがわかっていながら、














好きだけど、それ以上に傷つけた。







自分の気持ちが本物だって気づいたときにはもう、彼女を傷つけることしかできなくて、


その行動にドンドン歯止めが効かなくなっていって、






ぼろぼろにしてしまったこと。










しっかりと本当の想いを伝えきることができなくって、
















その未練は正直に今でもあるって、



目の前で言われた。



あたしといるときも、ふとその人のことを考えている自分がいるって。





























「この前あった野坂の彼氏、きっと野坂のこと幸せにできない」



放課後。




人気のない教室に残っていたあたしと高橋くんだけで、



ポツリと高橋くんが言い出した。








「急にどうしたの?」








このヒトには、藤田さんの過去まで言い当てる能力があるのだろうかって、正直思った。








「今日の朝、すんごい、目、腫らして学校に来たろ? わかるんだよ、あの男絡みだって」




このヒトに、嘘はつけない・・・なんとなくそう感じた。












「別れろよ、あんなヤツ」

















ヒトに言われるくらいなら、とっくに別れてる。












「あいつなら、きっと野坂のことまた泣かせる」





そうかもしれない。















けど、






今別れたら、












結末が見える。


















でも、今別れなかったら、















「結末はわからないから、そばにいたいの」







「本当は、『行かせない』って言いたいんだけどな」






純粋な目で高橋くんがあたしを見る。



そうか。







高橋くんが今まであたしの気持ちのすべてを汲んでくれていたのは、


この瞳の中に何の汚れも疑問も抱いていなくて、





素直に今ある状態を見つめていたからなんだ。









「今度、あいつが野坂のこと、泣かしたら、本当に奪いに行くからな」




「ありがと」





その言葉はどんなものにせよ、すごく嬉しかった。






でも、この言葉が現実にならないように、















傷つくのも傷つけるのもこれで終わりにしたかった。













だから、お互いのことを信じる、それしか、今のあたしには思いつかないの。




















私は、カトリックでもなんでもないけど、




神様。




あなたが本当にいらっしゃるのであれば、








これから起こる全てのことに耐えられるだけのチカラを




















お与えください。




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