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第5話は少し激しい内容となっております。
年齢制限はありませんが、藍羽とあいざわでかなり制限かけるかどうか迷いました。そういった内容であるということをご理解の上、読み進めてください。5話目を飛ばしてもきちんと話の内容がわかるようにはしてあります。
「彼女って、どんなコ?」
「お前に教えて何かイイコトあるのか?」
「あなたにここまで悩ませるやりての彼女が気になるのよ」
唇がぶつかるか否かの距離で、アヤカが囁く。
アヤカの部屋に招かれてから、覚悟は、
...決まってた。
これから行うであろうことと、
これから、裏切ることにも。
二人のはじまり 。。。5。。。 Something in my soul
「へぇ、高校生。あなたもイイコ拾ったわ」
ギィ。
2人分の体重を支えるベッドは、
些細なことでスプリングのバネを軋ませる。
アヤカが昔と変わらず前歯を見せながら俺のことを見下ろしながら笑う。
出だしはいつもこうだ。
アヤカは、征服感に浸りたがって、必ず、こうやって俺の体を跨いでいた。
化粧を落としても、そのきつい顔つきは昔とあまり変わらない。
昔...といっても、2年前か。
俺があいつと別れて、ちょうど手当たり次第に声かけてくる名前も顔も覚えちゃいないようなオンナと寝ていて、
同じようにいろんな男と中途半端な関係を持っていたアヤカと会って、
今日みたいにアヤカの部屋に来始めたのは。
「それにしても、こうやってあなたの顔を見るのはどのくらいぶりになるのかしら?」
関係をやめたのは1年前。
どちらからともなく自然に。
それから間もなくだ。
俺が美弥に逢って付き合い始めたのは。
「拾ったって、犬みたいにいうな」
半分寝そべっていた上体を起こして、タバコを取り出そうとした手をつかまれる。
「その可愛い子犬みたいな彼女のこと、いじめてるんでしょ?」
つかまれた手に唇が当てられる。
「いじめちゃ、いねぇよ」
...ヒドイ想いはさせてしまうけど。
「...でさ」
アヤカが跨ったまま、上に羽織っていたベージュのセーターを脱ぎ捨て、
淡いピンクのスリップ姿で俺の様子を伺う。
「久々に遊ばない?」
やっぱり、そうなるわけか。
「遊ぶってな、お前」
その言葉の使い方間違ってないか?
一度つかまえられていた右手でタバコを咥える。
手首には、唇の形がわかるくらい紅く色づいた痕。
火を点けて、一度は煙を肺に溜めて吐き出す。
「あたしは、会った時からそのつもりだったけど」
「俺と遊んだって何も楽しくないぜ」
そう言ったって、無駄なのは承知だ。
もともとそういう関係だった間柄だったくせに今更。
「楽しいかどうかはあたしが決めるから」
あなたは、あたしに溺れてさえいてくれればいいの、とでも言いたげなカオ。
「...いっ...」
不覚にも漏れた声。
まるで獣のようにアヤカが首筋を噛んだ。
「昔と変わってないじゃない? 相変わらず首、弱いんだ」
首筋から顔を上げると俺の反応を見て楽しそうに笑う。
「彼女の前でも、そんな表情するの?」
「さぁ」
タバコをサイドテーブルの上の灰皿に置く。
白い煙が高く上る。
アヤカの腕が首に回される。
瞳を閉じて
一回、深く呼吸する。
「柄にもなく、緊張してる?」
「まさか」
緊張なんかしない。
けど、変に胸がイタイ。
スリップを捲り上げるようにしながら、細い腰に腕を回して引き寄せる。
「んっ・・・」
アヤカの口から息が漏れる。
首もとに立てられた爪が、痛みと甘い感覚を引き起こす。
直に肌に触れながら、
ゆっくり背骨に沿って何度も撫でる。
アヤカの肩が上下する。
確か
「ココが弱いんだよな?」
アヤカの顔は少し上気している。
肩からずれ落ちたスリップの肩ひもに。
少し乱れた肩で波打つウェーブの長い髪
人間としての本能を駆り立てられる。
「ここまで来たら、止めないからな」
堕ちたな、俺も
「望むところよ」
髪をかきあげて笑う。
アヤカの唇が慣れたように触れる。
まるで、昨日からの続きみたいに。
最初は軽く、
徐々に、深く。
ゆっくりカラダを起こして、
それ以上にゆっくりアヤカのカラダを倒す。
部屋に聞こえるのは、
呼吸音と
どちらのともわからない声。
さっきから続く軽い眩暈のような感覚が体を支配し始めた。
アヤカに触れながら、声を聞きながら何を考えていたんだ。
行為の最中も。
ずっと俺は誰のことを思いながらアヤカの顔を見下ろしていたのだろう。
欲を満たしながら、
ココロだけはどんどん虚しくなっていく。
そうなることは当の昔に知ったはずなのに。
もう、充分だから。
傷つけるのも、傷つくのも。
仕事の前に、一度家に向かう。
昨晩の情事とアヤカの香水の染み付いた服を着替えるために。
カチャリ。
ドアを開ける。
ソファには、俺のことを待っているうちに眠りこけたのであろう、
美弥の姿。
頬には、涙のあと。