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「俺、野坂のこと好きなんだよね」

青天の霹靂













  二人のはじまり 。。。3。。。     園とタバコ

     













まるで天気がいいですねといわんばかりに彼は言った。

同じクラスの高橋大樹くん。









授業と授業の間の休み時間。
あの後、藤田さんに学校の近くまで送ってもらってきたけど、
正直面倒くさくって、授業中は藤田さんからもらった鍵ばかりいじって暇つぶししてたんだけど、



隣の席の高橋くんから告げられた言葉で、



ある意味、目が覚めた。





「・・・はぁ?」



言葉の解釈ができたのは告げられて10秒をとうに過ぎていた。





休み時間。

それもクラスのコが大半いる中でさらりとこんなことなんて言えるっ!?

・・・まぁ、気にとめてる人なんて、一握りもいないんだけど。





「・・・へっ?!」

さっきから、あたしこればっかりじゃん。

うまく言葉にできない。

でも・・・これって、まるで、高橋君に気があるみたいにハタから見えるかも・・・。

「え・・・でもね、高橋くん」

「『嬉しいけど、あたし今付き合ってる人いるから』」

読まれてる。



「・・・あたし、高橋くんに教えてたっけ?」

左胸の奥がドキドキする。



「いや、知らないけど、1時間ずっと鍵ばかりに気をとられてる野坂見れば察しがつくよ」



そういうものか。



「それにさ・・・」

高橋くんは、耳に顔を寄せて周りに聞こえないように耳打ちする。













「・・・高橋くん、そんなとこ見てたの!?」

急に大声を出したあたしに周りの視線が刺さる。



みんなから見えるのは、あたしの隣で大声に驚いてる高橋くんと

シャツの襟元をおさえてるあたし。

変な構図。



でも、高橋くんの言った言葉。



「それにさ、野坂、鎖骨にキスマーク・・・」





って!



「あはは、ごめんごめん」

面白そうにおなかを抱えて笑う姿は、

じゃれてくる柴犬みたいで。

「もう、そういうことは言わないでよ」

あたしは、服装検査以外では決して留めないシャツの第1ボタンをしっかり留める。















「最近、野坂タバコくさいから、ついに吸い始めたかと思ったんだけど、ね」

放課後。

もう子供がいない薄暗い公園のブランコで、

あたしと高橋くんは子供みたいに・・・とはいわないけど、

かなりはしゃいで、ブランコをこいでいる。



それもこれも、この季節特有の乾燥した空気の中でジッとしてると寒いから。





それにしても、つい数時間前に自分に告白してきた人とこうやって普通に遊んでるあたしもずいぶん神経の太い人間かも。

でも、彼は言ったんだ。

「別にさ、付き合えとか言ってるわけじゃなくって、それだけ伝えときたかったんだ

これからも、普通に友達として遊んでくれよ」



って言うもんだから、最初はたじろいでいたけど

昼休みも何事もなかったように話しかけてくるから

あたしだけが構えてるのも馬鹿らしくって



今に至る。









高橋くんの手で微かに灯るオレンジの明かりと

その先の白い煙。





「高橋くんだって、タバコ吸うんだね?」

真面目そうに見えるのに。



「あ、これは高1から」

この人は、悪びれずにしゃべる。



「体に悪いよ?」

本当はもっと伝えたいヘビースモーカーがいるんだけど

言ったところで気にも留めてくれないだろうし、



「それ、ホントはカレシに言いたいんでしょ?」

高橋くんに嘘はつけない。







「野坂のカレシは、年上だ」

「うん・・・」

なんだろこの人。

「わりと固い職業の人でしょ?」

どうして、人の心がわかるんだろ?

「大変だね? 不安じゃない?」

人の心を汲み取ることができるんだろ?



公園の前の道路から大きなオレンジの光が照らされる。

車のテールライト。



「タバコ、隠したら?」

「このとおり」

もう、彼の手元にはタバコがなくって、ひらひらと手を振っている。

ブランコのさびた鎖がギィッと鳴る。





車から、誰か降りてきた。

補導されるにはまだ早い時間なんだけど。



その人はあたしたちのほうに向かってきていて、





その人が藤田さんだって気づくのにはたいした時間は必要じゃなくって



「ガキの喫煙はまだ早いんじゃないか?」

って、見てたんだ。



それもきっと



「2,3分くらい前から見てませんでした?」

高橋くんは言う。

やっぱり見抜いてる。



「・・・気のせいだ」

吐き出される白い煙。



「ガキはとっとと帰れ」

しっしっと手で追い払うようにあたしたちにむける。



「・・・それとも・・・喫煙で補導しようか?」

にやりと笑う。

仕事をしてるときの表情だ。





「警察かよ」

少しバツの悪そうな顔をしてる高橋くん。


でも、

「見えないっすね、そういう仕事には」


確かに。

日本人っぽくない色素のせいで
茶色い少し長めの髪で、
イメージするような警察のおじさんとは全然違う容姿は。


あたしが言うのもおかしいけど。


この人には霞ヶ関よりも歌舞伎町が似合うような気がして仕方ない。







「本当かどうかは、美弥に聞いてみろ」









タバコの火のついてる先端であたしをさす。

少し不機嫌そうな表情で。



「え、え~~?」



さすがに高橋くんといえど、ここまでは想像できなかったみたいだ。




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