詩 08.11.06

ビルの谷間から見上げる空は
遠く　儚く
星屑よりも　ちっぽけな僕らは
迷路の街で　巡り逢う
 

失くしたモノより
奪ったモノの
重さが心を押しつぶそうとしてる
 

変わらないモノより
変わってゆく僕が
止まらない瞬間（とき）に戸惑っている
 

それでも僕らは今日も出逢う
明日のことも知らないままに
そして僕らは今日も別れる
また逢えるかも知らないままに
 

僕らを見下ろす黄金の月
大きく　近く
届きそうだと　手を伸ばす僕らを
迷路の街で　嘲笑う

攫んだモノより
手放したモノの
大きさが心に穴をあける

変わってゆくモノより
変わらない僕が
過去と同じ今に苛立っている

それでも僕らは今日も出逢う
昨日のことも忘れたままで
そして僕らは今日も別れる
また逢えると無邪気に信じて
 

すれ違ったことにさえ気づかぬままに
今日も迷路の街で僕は探す
失くしたもの
手放したもの
君の笑顔
君の涙
 

きっと僕らは今日も出逢う
足りない何かを求めながら
きっと僕らは今日も別れる
また逢うことを約束にして